熱い想い
しごと = 志事
昭和30年より続く工務店を営む家に生まれた私は、幼いころから父や祖父の大工という仕事に興味と憧れを抱いていました。
朝早くから、自宅兼加工場から聞こえるノミやカンナの音、墨付けをする姿、ヒノキやヒバの香り、自然と『大きくなったら大工になるんだ!』と幼心に決めていたのだと思います。
成長するにつれ、世の中には様々な職業がある事に気づき、消防士やスーツを着たかっこいい仕事に就きたいと考えたこともありましたが、『3つ子の魂100まで』ということなのか、最終的に選んだのは建築関係の学校への進学でした。
卒業後は地元でも厳しくて有名な工務店に弟子入りすることができました。
一流の大工を目指すなら厳しい環境に身を置くのが一番と考えたからです。
いざ弟子を始めてみると、想像をはるかに超える厳しさがあり、すぐに使えると思っていた憧れのノミやカンナを使わせてもらえるまでに8カ月かかりました。
それまでは掃除、重い材料運び、また掃除の繰り返しです。
親方や先輩大工さん達からは怒鳴られまくり、心が折れそうになったことも何度もありました。それでも続けられたのは、幼いころ見ていた父や祖父の大工姿が脳裏に焼き付いていたからなのだと思います。
弟子4年目を迎えたころ、1人である程度の大工仕事ができるようになり、新築を1棟任せてもらえることになりました。夫婦2人暮らしの平屋です。
先輩大工さん達の知恵や力を借りながら、常にお施主様の生活をイメージし、自分ができる渾身の技術を以って仕上げていきました。
お引渡の日、喜んでいただけるか不安で前日も眠れませんでした。
お施主様と一緒に玄関を入り一通り住まいをご案内した後、
『あったかい家だねー。こんなにきれいに仕上げてくれてありがとう!』と、涙を流して喜んでいただきました。
その姿を見た瞬間、私の迷いは消え、この仕事を生涯続けることを心に決めたのです。
自分の技術や知識でこんなにも喜んでくれるひとがいる!もっと喜んでいただきたい!
親方や先輩大工さん達も、お客様に喜んでいただく事が自分の喜びになるとわかっていたから私に厳しく指導してくれていたんだと、感謝と感動で胸が熱くなった事を昨日の事のように覚えています。
【初心忘れるべからず】この私の原点を、今は折笠工務店の『こころざし』として社員一同、すべてのお客様に喜びと幸せを提供する為に邁進する事を、ここにお約束いたします。
代表取締役 折笠 義秋